医学部の教授には「教育」という視点が欠けている
医学部に入学した時点では、「医者としての適性」も「医者になりたいという高い志」も0点だった私が、竹中先生という素晴らしい師との出会いによってここまで大きく変わることができたのです。
つまり、何が言いたいのかというと、医学部に入る時点では「医者としての適性」や「医者になりたいという高い志」がなかったとしても、環境次第で成長もするし、師が立派であれば教育の力でいい医者になれる可能性は十分あるということです。
逆に言えば、一定の学力を身につけてきた人間を、「適性がない」とか「医者になりたいという高い志がない」という理由だけで切り捨てようとするのは、医学部の教授たちには「教育」という視点が欠けているということです。
また、対人恐怖の傾向がある人は面接という場面では本来の力を発揮できない可能性がどうしても高くなります。
ただし、対人恐怖症になるのは人の気持ちに敏感であることの証しでもあり、また真面目な人も多いので、とてもいい医者になるポテンシャルを秘めていると私は思います。
森田療法という精神療法の提唱者である森田正馬(もりたまさたけ)氏(故人)が昭和初期に精神科の教授を務めていた東京慈恵会医科大学の医学部のように対人恐怖症の人にも理解ある大学であればその人が秘めたポテンシャルを見抜ける可能性もありますが、そのような知識のない大学の教授たちは、面接時での印象だけで「適性がない」と判断してしまいかねません。