人間は「教育」によって成長する
そもそもの話、人間というのは「教育」によって成長するのだということがちゃんとわかっていれば、入試面接をしようなんて発想は出てくるはずがありません。
教育の力を信じないような人間を、「教授」などという名前で呼んでいいのか、私は大いに疑問です。
また、学力が高いだけでなく、入学時にはすでに医師としての高い適性や、医者になりたいという強い熱意がある学生ばかりを相手にすればいいのであれば、教える側としてこれほど楽なことはありません。
要するに彼らには、「たとえ入学時には医者としての適性が未熟だとしても立派な医者に育ててやろう」という気概や覚悟などないのです。
もちろん、私が不真面目だったせいもありますが、東大医学部での6年間で私という人間をたいして成長させられなかったという事実がそれをよく物語っていると思います。
※本稿は、『ヤバい医者のつくられ方』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
『ヤバい医者のつくられ方』(著:和田秀樹/扶桑社)
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