「現地サポートをしてもらえないか」と依頼されて

寛平さんのケアをしながら並走し、途中鈴鹿で1泊、2日目の深夜に無事、千日前にある「なんばグランド花月」にゴールできた。

東京から大阪まで約560キロもの長い距離。きちんとした練習もせずに1日80キロ、7日間で走りきった寛平さんの非凡さには驚くとともに、とても感心させられた。

ゴール後、食事をしながら話していると、秋にギリシャで行われるスパルタスロンという246キロのレースに挑戦するという。その挑戦の様子を翌年の正月にドキュメンタリーとして放送するという話だった。

私にはピンとこない長距離のレース。想像もできない世界の話だった。

ところが、この席で「ギリシャに一緒に行って現地サポートをしてもらえないか」と依頼されたのだ。思いがけない話だし、サラリーマンである私が会社を休んでいくのは難しいのではないか……。

どうしても必要というなら、テレビ局から勤務先の会社に協力依頼文書を出してもらえないか、と返してその日は別れた。