(写真提供:Photo AC)
SNSやメディア上で、日々多くの言い合いや論争が繰り広げられる現代。「自分と異なる意見を持つ相手を『敵』と認定し、罵りあうだけでは何も解決しない。大事なのは『立場を超えて協力しあう視点をいかに共有するか?』という<メタ正義感覚>だ」と語るのは、経営コンサルタント・思想家の倉本圭造さんです。今回は、倉本さんの著書『論破という病-「分断の時代」の日本人の使命』より一部引用、再編集してお届けします。

日本経済はなぜダメになった?

経営コンサルタントの仕事をしていると言うと、プライベートで出会った人などから少し挑戦的に(あるいは好意的な雑談の一環として)、

「日本経済ってなんでこんなにダメになっちゃったんですか?」

……と聞かれることが結構あります。

そんな複雑な問題を、天気の話をするかのように聞かれても困りますよという気持ちにはなりますが、ざっくり述べると、

昭和の価値観・社会の運営方法のまま、ずっと変えられずにここまで来てしまったことが大きいのではないか〉

……という話をすることが多いです。

とはいえ、では2000年代初頭のタイミングで日本社会が「もっと“カイカク”が必要だ!」という掛け声の嵐の中に飛び込んでいけていたら良かったのか? というとそうでもないと思っていて、「これからの飛躍」のためには「これまでの停滞」も必要だったのだ、というように理解するべきだと考えています。

どういうことでしょうか?