菊陽町やニセコが「世界の普通」
半導体投資で沸く熊本県菊陽町や、ウィンターリゾートとして活況を呈している北海道のニセコの話を、ニュースなどでお聞きになった方もいるかと思います。
豊富な再エネと安定した原発の稼働による安価な電力や、水源の豊かさなどが注目され、世界的半導体企業であるTSMCをはじめとし、ソニーグループなどの関連工場も次々進出する熊本県菊陽町。
恵まれた雪質と、新千歳空港からのアクセスが注目され、国際的なスキーリゾートとして開発が進んできたニセコ。なかには清掃業などの仕事でも時給2000円を超える例があるようです。東京以上の高額時給ですね。
これは非常に特殊な例のように見えますが、グローバルな経済の流れに自然に乗っかっていくと、ある程度こういう感じにはなるものだと私は感じています。
ここ20年、日本は言葉の壁もあって世界経済の流れとは遠いところで自分たちだけで引きこもり気味に経済を運営してきましたが、例えば英語圏の国などは問答無用にこういう流れに呑み込まれ、そこら中に菊陽町やニセコのような存在があると考えてみましょう。
それらの国と経済発展の度合いを数字で比べれば、日本が劣後するのはまあ当然といえそうですね。
では、過去20年の日本の不調は、過去の延長にこだわって国を閉ざし内向きにグダグダと惰性の運営をしてきた“昭和の殿さま”たちが100%悪い! ということになるのでしょうか?
その問いに対する本記事の答えは「NO」です。そういう片方だけからの発想では日本に横たわる本当の課題を解決することはできません。