友達じまい

その外側には、気の合う友人や親戚、同僚や近所の人が入るでしょう。Aさんには何かしてあげるけど、Bさんにはしないということなら、あなたの心の中で、AさんをBさんより内側の垣根の中に入れているということです。

私は中学生の頃、「友達は財産です。ですから貪欲にためこもうすることをお許しいただきたいのです」という言葉に出合って感動しました(出典は不明ですが、小説か戯曲のセリフでしょう)。

お金などの財産がない思春期の若者にとって、友達は財産であり、増やしていいというメッセージはとても新鮮で魅力的に響いたのです。

大人でも「私は友達が多いほうです」と少々得意げに言う人は少なくありません。「友達の友達は、友達」という言葉もありますが、冷静に考えれば「友達の友達はただの他人」です。

それでも、「私の友達の友達が……」とつい自慢してしまいたくなるのは、友達の多さを人間的な魅力の基準のように考えているからではないでしょうか。

友達は多い?(写真提供:Photo AC)