見栄を手放し、等身大の自分で歩く
次に、あなたが見栄っ張りな人にどう対処したかをふり返ってみてください。
話半分だと思って、多くを聞き流すでしょう。距離をおいたり、ときには、「そんなに見栄をはらなくても」と、ズバリと指摘したりしてきたでしょう。
私は「そのうそ、ほんと?」と、冗談っぽく相槌を打つのを常としています。見栄を張りたい自分を意識するのは、今の自分を否定しなければならないので、とても勇気が必要です。
しかし、人生後半では、その勇気を出し、見栄を手放し、等身大の自分で歩いていきたいものです。
そのためには、コツコツと重ねてきた「お礼が言える」「笑顔で挨拶ができる」「やれることはやっている」などの小さな成功体験をふり返ることです。
自分で自分を認められれば、見栄を張る必要はなくなります。五段階の成績表で、一から五の子どもの割合が決まっていたのは昔の話。現在は、その子ができたかどうかの絶対評価に変わっています。
しかし、成績や偏差値などで、他と比較して自分の場所(ランク)を確認するのが当たり前の時代に育った世代は、比べてしまうというクセが抜けず、心乱れることが多くなります。
ある僧侶は「比べて喜ぶと、他を傷つける。比べて悲しむと、己を失う」という名言を残しています。