比較をしてもいいのは、2つの場合だけ

1つは、過去の自分と今の自分を比べて、よくなったところを発見すること。

「昔はつまらないことで意地になっていたけど、今では大抵のことは『たいした問題ではない』と思えるようになった」と自分をほめられるようなら合格です。

2つ目は、比べてうらやましいと思うことです。

「うらやましい」は自分もそうなりたいという願望が含まれています。そのために努力すればいいのです。努力できないなら、相手を称賛して終わりにしましょう。

人をうらやみながら努力しないでいると、「うらやましさ」は相手を引きずりおろしたいという「ねたみ」に変貌し、あなたの心をサザエのしっぽのようにねじ曲げてしまいます。

他と自分を比べて得意になりがちな人、逆に、他と自分を比べて劣等感にさいなまれている人は、比較してしまう環境から、意識的に自分を離しておいたほうが心はおだやかでいられます。

私は50代になってから、5年ほどかけて比べることから離れられました。

比べない勇気を持てば、気持ちがとても楽になり、心を覆っていた雲が払われ、誰とも比べなくていい、輝いている本来のあなたが現れます。

 

※本稿は『60歳を過ぎたら面倒ごとの9割は手放す 我慢してばかりの人生から自由になる54の教え』(アスコム)の一部を再編集したものです。


60歳を過ぎたら面倒ごとの9割は手放す 我慢してばかりの人生から自由になる54の教え』(著:名取芳彦/アスコム)

人生は、我慢するためにあるんじゃない。
「ブッダの教え」で、ほとんどの面倒ごとを捨てられる!

面倒ごとの9割は、人生で身に着てきた「執着(しゅうじゃく)」のしわざ。
あなたの脳がつくり出した、形のない幻影です。
視点を少し変えてみるだけで、驚くほど簡単に消えていきます。
手放せば、確実に心がおだやかになり、フットワークも軽くなっていきます。
「こんなに簡単なことだったのか!」ときっと驚かれるでしょう。