首都圏大量相続時代へ

さて、首都圏900万人の高齢者、とりわけ半分を占める後期高齢者はこれからどうなっていくのでしょうか。

嫌な話ですが、人が生物である限り死が訪れます。2030年と言うと何だか遠い先の話のように聞こえるかもしれませんが、ほんのあと5年ほどの時間です。

75歳以上の後期高齢者の方々のうちのかなりの数が鬼籍に入ることになります。首都圏大量相続時代の到来です。

彼らが残していく戸建て住宅、マンションの行方はどうなるのでしょうか。言い換えれば大量の空き家予備軍があるとも言えますし、空き家にしておかずにマーケットで売却あるいは賃貸に供(きょう)する動きも加速します。

※本稿は、『新・空き家問題――2030年に向けての大変化』(祥伝社)の一部を再編集したものです。


新・空き家問題――2030年に向けての大変化』(著:牧野知弘/祥伝社)

今後、首都圏に大量相続時代が到来し、さらなる空き家の増加が予想されている。

どうすれば空き家を減らせるのか。空き家になったらどう対処するのか。

空き家を通して、日本社会の「現状」と「近未来」を読み解く。