もしかしたら学習障害的なこともあるのかも、と
鈴木 よくわかります。そんな中で、うちはゲームで勝手に5万円課金した時「罰として九九を覚えなさい」と。「覚えたらiPadを返してやる」と言ったら、勉強が嫌いながらも必死に机に向かっていました。(笑)また「もしかしたら学習障害的なこともあるのかも」とまわりから言われて。それで学習障害やADHDなども含め、勉強にコンプレックスや苦手意識を持つ子どもに向き合ってくれる塾のような「LITALICO」を勧められて。そこに通わせることにしました。
藤本 粘り強い先生がいる、とかそういうところなんですか?
鈴木 それが全然違うんです。衝撃を受けたんですが、子どもの様子を見てもらったら「お子さんは概念を置きざりにしています」とか塾から言われたんです。たとえば「右と左」なら、右と左がどっちか、ということだけなく「右と左とはそもそも何なのか?」という概念を伝える。
藤本 えっ! 考えたことない。
鈴木 特に勉強が苦手な子だと、そのあたりを考えずに「答え」だけ読んで覚えてしまおうとするわけです。それでは物事を考えるのに必要な概念を置きざりにしてしまう、と。「半年かけて概念を取り戻します」と塾が言うので、どうするのか様子を見ていたら、これがびっくりするぐらい褒める。あとは事前に、息子の笑福(えふ)の好きなキャラクターをこっそり僕に聞いておいて、教材に好きなマーベルやポケモンをしのばせたり。まずはビジュアルで興味を持たせて、勉強っぽくなく会話を進めていくという…。あくまで笑福の場合ですが。
藤本 すごくいいですね。
鈴木 それでなんと半年後、自分から進んで宿題をやるようになりました。
藤本 すごい!
鈴木 なので学ばせて本当に良かった、と思っていて。その一方で、そういう経験や状況を積極的に話すことも必要だなと。自分の家の中のことは、どうしても隠しがちですし。