これから挑みたい演目は? そして日本のオペラのために希望することは?

――この頃、コンサートでよくヴェルディの『オテッロ』のアリアやデュエットを歌うんですが、何だかやけにしっくりくるんですよ。

オテッロはイタリアオペラの中でも一番重くてドラマティックで難しいとされている役なんですが、そろそろこれに挑みたいと思っています。声も楽器として成熟してくるんで、これはやっぱり大人の男の役どころですからね。

それで日本のオペラ発展のためには、どうしても馬蹄形のオペラ劇場がほしいんです。日本の多目的ホールは響きすぎて、無駄に広いんですね。千人くらいの縦長のオペラ劇場が日本にも一つくらいあるといいな、と思います。

あとは声を保つためにトレーニングは欠かせません。身体全体が楽器ですから、歌うためのブレスをしたり、歌うことが一番のトレーニングになります。

そしてきちんと休養を取ること。風邪を引かないようにとか、空調管理に気をつけるとか、喉が乾燥しないようにとか、アルコールは控え目にとか……これが一番難しいですけどね。(笑)

 

日本のオペラが今後ますます隆盛であるために、楽器のお身体を大切にご活躍くださいませ。