その場でできることをしっかりと

洗面所の鏡の前で、片手か両手を洗面台か壁に添えて立ち、転倒しないようにしながら片脚ずつその場で上げる運動は、歩く練習になります。

この時、鏡を見て自分の頭が左右に揺れないようにすれば、バランス練習にもなります。

椅子を使わなくても、床やベッドの上で片方ずつ脚を上げたり下ろしたり、膝を伸ばしたり曲げたりするだけで運動になります。

「フィットネスクラブや公園でなければ運動はできない」と決めつけて何もしないのではなく、その場でできることをしっかりとやることが、運動不足の解消につながります。

 

※本稿は、『健康寿命をのばす! 整形外科医のカラダの痛み相談室』(創元社)の一部を再編集したものです。

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健康寿命をのばす! 整形外科医のカラダの痛み相談室』(著:井尻慎一郎/創元社)

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