無菌的感覚の変化
三四郎は子犬で、月に一度しかお風呂に入れたらいけないらしい。だから、今は、身体を毎日何回も拭いてあげている。それから、やはり、多少獣臭がする。
他の犬に比べるとミニチュアなのでにおわないようだが、それでも動物臭はするし、まだシートに命中しないので、おしっこやうんちを床ですることもあり、三四郎の部屋だけは犬小屋のようなにおいがしている(この部屋の換気がまた大変なのだ)。
ぼくはそんな獣の三四郎を自分の膝の上に載せて、一緒に昼寝をするし、いつも抱きしめているし、三四郎は朝から晩までぼくの頬っぺたを舐めまくってくる。
超綺麗好きなぼくは昔から人の体に触れることが苦手で、在仏暮らしなのでビズ(頬と頬をくっつける仏版の挨拶)や握手も嫌だった。どんな菌を他人が持っているかわからないから、…。こんな無菌的感覚で生きてきたぼくだけど、子犬が来たらそんなこと心配していられなくなった。