(写真提供:Photo AC)
松坂桃李さんが主演を務める日曜劇場『御上先生』。「学校教育監修」としてクレジットされている教育者、横浜創英中学・高等学校前校長の工藤勇一先生は、子どもたちが自由に生きていくための学校改革を積極的に行ってきました。これからの時代を生きていく子どもたちを、大人はどのように見守っていけば良いのでしょうか?今回は、工藤先生が子どもたちに向けて書いた著書『考える。動く。自由になる。-15歳からの人生戦略』から、工藤先生の“人生の授業”を一部お届けします。

悩んで疲れたとき、やめてみた方がいいこと

「みんなと仲良くして、誰のことも嫌いにならず、友達にウソをつかない人」を目指し、悩んでしまう人がいます。

まわりの人に合わせて自分をいつわって、疲れてしまう。

友達に合わせたふるまい方に悩んで、疲れてしまう。

本音を抑えてつくろう自分に、疲れてしまう。

校長室にいると、そんな生徒たちが「自分はこのままでいいんでしょうか……」と相談にやってきてくれます。

僕から伝えているのは、「悩んで疲れてしまう君は深く考えていて、すごい」というメッセージ。単に「自分らしく」「自分に正直に」と繰り返すだけの人よりも、人とのつながりを真剣に大切にしているからこそ、悩むんです。

でも、悩みすぎて疲れてしまったなら、「理想像を追いかけるのは一度やめてみたらどうだろう?」というのが、僕の考えです。