「往診」に掛かるときに用意したいもの

最後に、いざ「往診」に掛かるときに用意したいものを見ておきましょう。

ずばり「お薬手帳」です。往診の場合ははじめてのお医者さまというケースも多いため、的確な治療を受けるためには「病歴、薬などのアレルギー、何の病気でどんな治療をしたのか」を知らせなくてはなりません。そのためにも「お薬手帳」があるとスムーズです。

同様に、かかりつけ医やよく使う病院からの「紹介状」が好まれるのも、同じ意図があってのことです。どちらもない場合は「病歴のメモ」を用意しましょう。

イメージ(写真提供:Photo AC)

それから、もうひとつの「用意したいもの=こと」。今話題の言葉「ACP」です。東京都も推し進めている「ACP」……人生会議。これは、「どうやって自分が死んでいきたいか」「誰に連絡してほしいか」「何をしてほしくないか」を健康なうちに考えておくこと、記しておくことです。医療の施し方は選べます。

ACPについては、お笑い芸人がポスターになって外された事件で覚えている方もいらっしゃるかもしれません。実際に今患者の立場になっている方や、家族への配慮に欠けると炎上しましたが「もしもの時どうしたいかを、病気になってから考えるのではなく、普段から考えておこう」という言葉自体は意味があるもので、もっと啓蒙されていくべきだと考えています。

往診・訪問診療(在宅医療)は、医療行為にメニューがあり、自由に選べるため、さまざまな選択を可能にします。この記事をきっかけに、皆さんの選択肢に「在宅医療」が入ることを祈っています。

【関連記事】
子どもが不登校になったら…「怠惰」ではなく「追い込まれている」と考える。「だらしない」「弱虫」はNG。休む選択肢を与えて子どもがほっとする状況を作って。
「夏うつ」をご存じですか?暑さで体だけでなく心まで疲弊してしまうケースも。「頑張らない日」を意識的に定めるのがおすすめ
「しんどい、もやもやする日」が増えてきたら…精神的不調に共通する<自己回復>のヒント5選「自分の感情が分からないまま頑張っても疲れるだけ。感情を分解して向き合って」