(写真提供:Photo AC)
厚生労働省の「令和5年 国民健康・栄養調査」によると、20歳以上の1日の歩数の平均値は男性が6628歩、女性が5659歩で、直近10年間でみると男女ともに減少しているそうです。そのようななか「人生100年時代、健康寿命を延ばすにはいつまでも自分の足で歩けることが一番大切」と話すのは、整形外科医・末梢神経外科医の萩原祐介先生です。そこで今回は、萩原先生の著書『いつまでも自分で歩ける100歳足のつくり方』から、元気に歩き続けるためのポイントの一部をご紹介します。

自分の足で歩ければ、健康寿命は延びる

原始時代、人類は歩いて大陸を移動しました。江戸時代、旅人は街道を歩きました。人間の足は、長い距離を歩いても問題ないようにできています。というよりも、頻繁に歩いて移動することを前提としていると言っても過言ではありません。

たとえば、歩くことで血流が促進されます。ふくらはぎの筋肉が伸びたり縮んだりする動きがポンプの役割を果たし、足に下がっている血液を体の上のほう、つまり心臓へと押し上げているのです。このため、ふくらはぎは「第2の心臓」と呼ばれることもあります。

歩くことで関節はスムーズな動きを保ち、全身の代謝が促され、筋力は鍛えられます。まさに健康への好循環が生まれるのです。

逆に、同じ姿勢でじっとしていると、血流は滞り、筋肉が凝り固まって、関節は本来の動きができなくなります。