足トレーニング 靴の中で「ゲタの鼻緒」をイメージして歩く

ここで、「いつまでも自分の足で歩くためにもっとも重要なトレーニング」についてまとめておきます。それはほかでもなく「歩くこと」。ただし、これまでの立ち方や歩き方に、将来歩けなくなるような悪いクセがある場合は、それを直して、よりよい歩き方で実践する必要があります。

といっても、意識ポイントはひとつに絞ることにします。簡単なようで、考えはじめると意外と複雑な動きをしているのが歩行という運動ですから、たくさんありすぎてもうまくいきません。そもそも「歩行」は当たり前のことすぎて、理想的な形にしようとこだわっても、交差点で信号待ちして、ふたたび歩き出したときには忘れてしまいます。

その意識するポイントは「靴の中で『ゲタの鼻緒』をイメージする」です。これだけで大丈夫です。

実際に実現したいのは、傾きのないバランスのとれた足首のポジションと、横と縦のアーチや足根管の形状が正しく維持される足の使い方です。

そのためにもっとも重要なのは、親指と母趾球に力を入れること。当然、靴の中で指先が反り返っていてはNGで、少し曲がっているくらいでないと力は入りません。

日本古来の履物であるゲタや草履は、親指と第2趾で鼻緒をつかんで歩きます。自然と親指と母趾球に力が入り、指先は曲がった形で地面をとらえます。

鼻緒をつかむイメージで力を入れて歩けば理想の形になるのです。

<『いつまでも自分で歩ける100歳足のつくり方』より>

※本稿は、『いつまでも自分で歩ける100歳足のつくり方』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。


いつまでも自分で歩ける100歳足のつくり方』(著:萩原祐介/河出書房新社)

人生100年時代、健康寿命を伸ばすにはいつまでも自分の足で歩けることが一番大切。

下肢の痛みで歩けなくなった多数の患者を救う名医による、100年歩ける足・膝の画期的な作り方指南。