家の中の環境づくりを大切に

雨が降ってくると、「どんなリズムが聴こえる?」、秋になれば「いま鳴いているの、何の虫だろう?」……普段、環境音としてあまり気にしていない音も、耳を澄まして聴いてみると多彩な表情を持っていることがわかります。

また、ピアノを弾く時に、気分を変えて部屋を真っ暗にして弾いてみるという遊びもしました。不思議なことに、真っ暗にするといつもと違って音が聴こえるような気がします。いずれも、静寂がなければできない遊びです。

音があふれている環境では、どうしても耳が麻痺してしまいます。普段生活する家の中の環境づくりは大切だと思っています。

 

※本稿は、『「好き」が「才能」を飛躍させる 子どもの伸ばし方』(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)の一部を再編集したものです。


「好き」が「才能」を飛躍させる 子どもの伸ばし方』(著:角野美智子/ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)

「僕が音楽と数学の世界に導かれた背景に、母の多くの創意工夫があったことを再認識しました。」
――角野隼斗さん(ピアニスト)

角野隼斗さんの母にして、コンクール入賞者を延べ100名以上輩出したピアノ指導者である著者による、「原石を磨く」子育て論。