コロナ渦の中、バンクーバーでの撮影

真田が演じた主人公は関ヶ原の戦い前夜の徳川家康をモデルにした吉井虎永(よしいとらなが)、私はその腹心の家老・戸田広松を演じた。

撮影はカナダのバンクーバーで行われ、私は2021年8月23日から8ヶ月間もバンクーバーで過ごすことになった。もちろん単身赴任だ。コロナ渦の中、撮影は大変だった。

この大作に出演した経緯や裏話を紹介しておこう。今回のドラマ『SHOGUN 将軍』で、広松役のオファーが来たのは2021年の2月頃だった。といっても、最初から私に決まっていたのではない。

何人か候補がいて、「まずはオーディションに参加してくれ」という話だった。ハリウッド映画に出たことがない私は、アメリカ人から見れば無名の俳優に過ぎない。

オーディションは当然だろう。ましてや、著名な俳優でさえオーディションで役を勝ち取っていくのがハリウッドの基本だ。

ハリウッドか。チリとの合作はあったが、「ハリウッド」というと、またちょっと響きが違う。自分がまだやった事のない領域は、もうここしかないなと思った。それにカナダのバンクーバーで撮影という。

バンクーバーには2001年にフジテレビの2時間ドラマ『スチュワーデス刑事』の撮影で、北部のウィスラーに行ったことがあるし、2011年には旅番組で再び訪れ、素晴らしく綺麗で、とても良い所という印象が強くあった。

 

未完成』(著:西岡徳馬/幻冬舎)