3月権利の株主優待は?
「株主優待」の権利を3月に迎える銘柄は本当に多くあります。だからこそ、この機会に食費節約ができる銘柄に注力したいものです。筆者は特に、「株主優待」の新設企業や内容変更を発表した企業に注目しています。
その中でも、シマダヤ(250A※)(株価1,574円、最低投資額15万7,400円)は、食費節約の王道銘柄かもしれません。
麺類の製造販売で知られるシマダヤ。100株では1,000円相当の商品詰め合わせがもらえます。「株主優待」制度を新設した企業でもあるため、「どんな商品が入っているのか」と興味を持たれている人も多いことでしょう。購入時の注意点は、2025年3月期であれば、3月に権利を取得すれば商品をもらえますが、次回、2026年3月期では「6ヵ月以上継続保有」が必要となってくることで、2025年9月にも権利を取得しておかなくてはいけないことです。
「株主優待」新設企業によくあるのは、「初回は、継続保有期間は問わない」ことですが、シマダヤもその優遇措置をとる企業にあてはまります。
※証券コード…証券取引所に上場する企業に割り振られる識別コードです。従来は数字のみの4桁で構成されていましたが、2024年1月以降に新規上場した企業には、数字だけでなく英文字も入ったコードが設定されるようになっています。
外食したい時に活躍するのが、力の源ホールディングス(3561)(株価1,390円、最低投資額13万9,000円)。ラーメンのチェーン店「博多一風堂」を展開する企業です。この力の源ホールディングスは「株主優待拡充」銘柄となっています。
従来、変更前は500株以上保有で、どれでも好きなメニューを食べられる「ご賞味券」が1年未満は2枚(年間4枚)、1年以上は3枚(年間6枚)でしたが、内容を変更し100株でも「株主優待」がもらえるように。
1年未満なら2,000円割引券(年間4,000円分)がもらえ、1年以上なら4,000円割引券(年間8,000円)が選べるようになったので、つまりは拡充されたことになります。権利月は3月9月。年2回もらえるのも嬉しい点です。
宝ホールディングス(2531)(株価1,150円、最低投資額11万5,000円)の「株主優待」は、「自社グループ会社商品詰め合わせ」で100株なら1,000円相当の商品がもらえます。自炊する人に喜ばれそうな「みりんがもらえる」銘柄もあり、もしかすると「みりんを買わなくてよくなる」生活が実現するかもしれません。
こちらも制度に変更があり、2025年3月は権利前に買えばもらえますが、2026年3月は1年未満保有だと「株主優待」はなくなってしまい、「1年以上の継続条件」がつきます。ですが、3年以上だと、100株では1,300円分になり商品額が増えることにも注目です。料理に使うみりんを「株主優待」の分でまかなえるご家庭もあるかもしれません。

山形銀行(8344)(株価1,380円、最低投資額13万8,000円)も、株主優待制度を導入すると発表した企業です。ただし、100株では「株主優待」がもらえないため最低200株が必要です。
それでも、おすすめに入れた理由は「初回は、継続保有期間は問わない」優遇措置があり、2025年3月末の権利日までに買えば「株主優待」がもらえるからです。
山形銀行の「株主優待」は、200株だとQUOカード2,000円分、そして500株だとQUOカード2,000円分と3,000円分のカタログギフトがもらえます。
初年度の2025年3月は、権利日までに取得すればもらえるものの、2年目の2026年3月は「1年以上」保有が必要です。つまり、2026年の3月権利には、2025年3月末、9月末、2026年3月末の3度、同じ株主番号でなくてはなりません。
500株でもらえるカタログギフトは、現時点ではどういったものかは公表されていませんが、他の地方銀行の「株主優待」のように地元特産品だとありがたく感じます。例えば、山形県の特産品(さくらんぼ、ラ・フランス)があれば、食卓が一気にはなやぎそうです。
また、使い方によっては食費節約になる「株主優待」として、三井不動産(8801)(株価1,336円、最低投資額13万3,600円)も紹介しておきます。こちらの「株主優待」は「三井ショッピングパークポイント」で、「ららぽーと」などで使えます。
ただし、こちらも継続保有条件があり、2025年3月は「継続保有期間半年以上」、2026年3月は「継続保有期間1年以上」が条件。今から買うなら、2026年3月の優待をもらうために買って準備することになります。
買うほどにポイントは多くなり、100株ごとに1,000ポイントがもらえて上限は1万2,000ポイント。また、「3回連続で通常進呈ポイント受領要件を満たした株主」に100株ごとに1,000ポイント、「5回連続で通常進呈ポイント受領要件を満たした株主」に100株ごとに2,000ポイントの長期特典もあるので、長く持つほど、もらえる「三井ショッピングパークポイント」は増えていきます。
ららぽーと内で食品を買えば食費節約になる使い勝手のよい「株主優待」といえるでしょう。