加齢とともに耳の機能が衰えると、聞こえにくくなるのは仕方がない、とあきらめていませんか。日頃から耳をいたわることで、《聞こえ》は維持できるそう。難聴や耳鳴りに詳しい耳鼻咽喉科医の木村至信先生が、セルフケア法を指南します(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)
鼓膜の働きを改善する「あくび耳抜き法」
口の中にためた空気を一気に耳に送り込むことで、耳管を開き、鼓膜の内外の圧力差を解消する方法です。
「飛行機や水中で行う“耳抜き”と似ていますが、ポイントは最初に必ずあくびをすること。口を大きく開けることで耳管が開き、耳から空気が抜けやすくなります。あくびなしで急に行うと、鼓膜が傷ついたり中耳炎になるので注意しましょう」(木村先生。以下同)
鼓膜が内側から外側に押されてパカッという感覚があり、スーッと空気が抜ける音が聞こえれば成功です。鼻の粘膜が温まり、耳管の入り口が柔らかくなっているお風呂上がりに行うと効果的。「何度か続けるうちにできるようになります。うまくできないときは、耳鼻咽喉科で指導してもらうとよいでしょう」
なお、めまいがするときは悪化する恐れがあるので控えて。