5代目は「GOLD IMARI」というブランドを立ち上げ北米、欧州、中近東へ輸出を拡大します。1ドル360円だった当時、売上30億円、従業員700人までに。しかし1985年の「プラザ合意」で円高になり、輸出が無くなりました。その後国内市場へ転換しましたが、バブルが崩壊、20億の借金が残ったのです。

6代目の父は借金を抱えたまま事業を続けていました。私は最初銀行員をしていたのですが、有田に戻り、20億の借金の整理をするために弥左ヱ門窯を継ぎ7代目を襲名しました。今までの有田焼だけでは商売が難しいと考え、今の時代に合った有田焼を作ろうと、アリタポーセリンラボというブランドを立ち上げました」

「GOLD IMARI」ブランドの有田焼「布袋尊」
ゴールドイマリ“モノリス”「布袋尊 双角錐型福乃神花瓶 金彩図案絵」220周年記念に発表された「七代松本弥左ヱ門」ブランド。限定復刻された金蘭手古伊万里様式の有田焼

1804年といえば江戸時代後期で、元号は「文化元年」。

現在放送中の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の時代は、第10代将軍・徳川家治の治世下の話だから、次の将軍・徳川家斉が11代将軍として政治を行っていた時期に創業したことになる。

伝統を守りながら、変わりゆく時代に合わせて進化と深化を続けるアリタポーセリンラボ。創業230年に向けての歩みはいま始まったばかり。