歴史ある街並みや数々の芸術、食が豊かで、陽気なアモーレの国イタリア。イタリア人はなぜ、あんなに生きていることを謳歌できるのでしょうか?イタリア在住20年、現地で通訳・コーディネーターとして活躍する中山久美子さんによると、彼らは本当にマイペースで、移住した最初の数年は驚きととまどいの連続だったそう。そんな世界一楽しそうに生きているイタリア人の根底にある「流儀」を明かす『イタリア流。』から一部を抜粋して紹介します。
意外と朝は早いイタリア人
イタリア人はスローでルーズ、そんなイメージを持っていませんか?
それは決して間違いではないのですが、意外や意外?イタリアでは朝が早い人が多いのです。
私が住むフィレンツェ郊外の路線では、朝6時台の電車から通勤通学の人でほぼ満席。途中乗車の同僚のために席を確保する人もいるほどです。
そして同僚が集まれば、朝からおしゃべりに花が咲くのも定番の光景です。スマホ組も増えましたが、車内がシーンと静まり返ることはほとんどありません。
大都市を除きコンビニエンスストアは存在しませんが、スーパーは早いところで朝7時から、夜の9時頃まで開いているので困ることはありません。
さらに早いのはメルカート(市)。屋内の常設市から屋外に出る曜日ごとの市まで、いずれも7時頃から14時くらいまで営業しています。
野菜や肉などの生鮮食品はもちろん、家庭雑貨や下着までよりどりみどり。朝早くから大賑わいです。
学校開始は8時前後と、日本とほとんど同じ。
会社の始業も8時が多く、フルタイムで働くマンマがいる家庭は、幼稚園や小学校では早朝学童や放課後学童を利用している人もいます。
おじいちゃんおばあちゃんに頼める人も少なくありません。うちの夫はフレックス勤務で7時半には出社し、なんと15時半に退社。