イタリアのジジババが、いつまでも元気な理由
では、3か月の長い夏休みは? 海や山に別荘を持つノンニなら、孫も一緒に連れて行きます。
夫婦はしばし子なし生活を楽しみ、週末だけ子どもに会いに行く。どっちが親だかわからないような生活になることも少なくありません。
近所に住むピエロは、孫たちを毎日小さい子どもが集まる広場へ連れてきていました。息子夫婦は共に仕事が忙しく、その娘が幼稚園に行くまでの週半分はピエロ夫妻が、残り半分は嫁の親が預かっているそう。
その前は娘の長男、その後はその次男が預けられ、10年ほどずっと孫と生活をしていたことになります。ピエロは「孫たちのおかげで老けないし、若いマンマと仲良くなれるし」と楽しそう。
毎日の食事と、毎週末の家族大集合のランチを取り仕切る奥さんも、「朝からパスタ1キロ打つのよ、いつになっても楽させてくれないの」と言いながらも嬉しそう。
今では姑に頼ることはないですが、フィレンツェの高校に通う息子たちが学校の後にランチに来るのを楽しみにしている姑。
あまりに張り切ってフルコースでもてなされるため、その日は「満腹すぎて夕食いらない」と息子たちに言われるほどです。
イタリアのジジババがいつまでも元気なのは、孫のおかげかもしれませんね。
※本稿は『イタリア流。』(大和出版)の一部を再編集したものです。
『イタリア流。』(著:中山久美子/大和出版)
「ちゃんとしない&気負わない」からいつも軽やか!
日々の暮らしから処世術まで、イタリア在住20年余り、日伊通訳&コーディネイターが、毎日なんだかんだあっても、「人生を楽しめる天才」イタリア人の貴いすべてを明かす。