イタリアの食材といえば…(『イタリア流。』より/撮影:中山久美子)

歴史ある街並みや数々の芸術、食が豊かで、陽気なアモーレの国イタリア。イタリア人はなぜ、あんなに生きていることを謳歌できるのでしょうか?イタリア在住20年、現地で通訳・コーディネーターとして活躍する中山久美子さんによると、彼らは本当にマイペースで、移住した最初の数年は驚きととまどいの連続だったそう。そんな世界一楽しそうに生きているイタリア人の根底にある「流儀」を明かす『イタリア流。』から一部を抜粋して紹介します。

最後まで美味しく食べ尽くす、保存食とスカルぺッタ

家庭菜園ができなくても、前住人の残した恩恵にあずかっている我が家。初夏はさくらんぼ、収穫量は毎年変わりますが、大豊作はなんと6キロ。

食べても食べても追いつかないのでご近所や夫の同僚に配った後、残りはジャムを作って瓶詰にし、家でタルトにしたりヨーグルトにかけたりして使いました。

秋はオリーブ、過去最高20キロの時は、オリーブ畑を持つ友人に混ぜてもらってオイルにしました。

そこまで採れなかったとしても放置するのは心苦しく、塩水漬けオリーブを作るのが毎年の定番になっています。

そのままおつまみにしたり、果肉をパテにしたり、鶏肉のトマト煮込みやギリシャ風サラダにしたりと、通年かけて楽しませてもらっています。

そしてバジルのペーストや、乾燥させたローズマリーとセージを使ったハーブ塩も、旬の味を加工して長く活用することができる便利な保存食です。