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何のお店をしようか。焼き菓子などのスイーツは極めるのに時間がかかり、長年やってきた人にかなわない。あれこれ悩みましたが、子どものためにジェラートを手作りしていて、それがとても美味しくできたのを思い出します。

そしてジェラートだけでは客単価が低いから、フルーツをのせてパフェのお店を作ればいいのではとひらめきます。自宅が、全国からフルーツが集まる大田市場の近くだということもプラス要素でした。

ここからのSさんの学び方はとても実践的で参考になります。まずパフェづくりを学ぶために老舗フルーツパーラーの求人を見つけて応募します。当時45歳でしたが、アルバイトなのですんなり採用になります。

ラッキーにも下積みなく初日からフルーツを切らせてもらえ、黙々と働くこと1年半。春夏秋冬の果物を経験し、パフェを作るために必要なことを習得します。

続いて地域とのつながりをつくるとともに、事業運営を学ぶために、地元のインキュベーション施設のアルバイトを見つけて応募。運営スタッフとして1年間、働きながら、たくさんのクリエイターと出会い、それがのちの店舗づくりに生きてきます。

また多くの個人事業主にも出会い、自分でもやっていけそうという自信につながったといいます。

こうしてSさんは、クリエイターに協力してもらいながら実家をリノベーションして、フルーツパフェ専門店「Safi」を開業。パフェ評論家が絶賛記事を書いてくれたこともあり、行列のできる人気店となっています。

「これからも自分のペースで、おばあちゃんになっても働き続けていきたいと思っています」と話しています。