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その後、Kさんに人生を見直す決定的な事件が起こります。奥歯に激痛が走り、バキッと真っ二つに割れてしまったのです。長い間、歯を食いしばって生きてきたので、歯がもたないほどの負荷がかかっていたことが原因でした。

さすがにショックを受け、Kさんは会社を辞め、夫婦で信州に移住することを決めます。Kさん夫婦にとって、信州は出会った場所であり、ことあるごとに訪れて癒されてきた場所。これからは信州に恩返しをしたいと考えたといいます。

公的な仕事をしたいと探してみると、安曇野の市の産業支援コーディネーターの募集があり、まさに自分の経営者としての経験が活かせて地域に貢献できると応募。その活動を出発点に、コンサルティング会社などを設立。

いまでは地元企業の課題解決に向き合いつつ、信州では害獣として駆除されている鹿の皮を使った作品をつくるなど、革職人としての活動も続けています。

「自分の人生」を取り戻したと話すKさん、ストレスからも解放され、健康診断の結果はすべて正常値だそうです。