2040年には、単独世帯が900万世帯に…(写真提供:stock.adobe.com)

これからは〈自分介護〉の時代へ。2040年には、単独世帯が900万世帯に達するという予測があります。特に、65歳以上の単独世帯数の増加が推測されています。日本の家族構造は大きく変容して、これまで頼りにしていた家族相互助け合いシステムが崩壊しています。高齢者を包括的に支援/実践している団体「リボーンプロジェクト」が、介護の事例と、専門家のアドバイスを編集した『じょうずに頼る介護 54のリアルと21のアドバイス』より一部を抜粋して紹介します。

自分の介護は自分でデザインする!

2040年には、単独世帯が900万世帯に達するという予測があります。

単独世帯の全世帯に占める割合は約40%に上り、特に、65歳以上の単独世帯数の増加が顕著であると推測されています(国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」)。

配偶者と死別したり、未婚だったりし、子どももいなくて、きょうだいも少ない。日本の家族構造は大きく変容しています。これまで頼りにしていた日本の家族相互助け合いシステムは崩壊してしまいました。

身寄りのない高齢者が増えると、これまで家族、親族が順送りでこなしていた生活面でのサポートを受けられないケースが普通になります。

年金受給の書類作成や銀行振り込み、各種契約から、入退院時の付き添いや治療方法の意思決定に関わること、最後は看取りや納骨まで、家族、親族が行ってきた支援を誰が担うのかという課題に社会全体が直面しています。

国もやっと重い腰を上げて一人暮らしの高齢者のパッケージ支援に取り組もうとしていますが、いまほど、制度の中身の検討も含めて「当事者の意識」が必要とされる時はありません。

介護保険制度が発足して四半世紀。介護の社会化が実現したかと思いきや、介護保険制度も担い手不足と資金不足で制度疲労を起こしています。