パーキンソン病になった父の介護で疲労困憊

親の介護:介護の主な担い手は一人息子の自分

同居の父は、10年前にパーキンソン病と診断されました。

いずれ介護が必要になるとの思いもあり、私は7年前に会社を辞め、フリーランスで働いています。いま、55歳です。

父は3年前から要介護3で、車椅子生活に。この病気は進行してくると、体が硬直して動けなくなったり、立ったまま硬直してバタンと倒れたり……。

私は家で仕事をしているので、父が倒れた大きな音に慌てて駆け付け、体を起こす、車椅子に座らせる、ベッドに寝かせる、その繰り返しでした。

父が大声で私を呼びつけることもありました。そんな場面では、動けなくなった父を覚醒させようと、怒鳴ったり、頬を何度も叩いたりしていたので、虐待ぎりぎりだったと思います。

私自身も冷静な対応をしていたとは思えません。1度、ハンマーで大工仕事をしているときに父に呼ばれたことがあるんです。

向かおうとしたら、高校生の息子が私の肩をぎゅっとつかんで、「お父さん!ハンマーは置いていけ!!」。見ると、ハンマーをしっかり握りしめていた。いまにも父に襲いかかりそうな鬼気迫る顔をしていたんでしょうね(笑)。

父は転んで擦過傷も多いので、訪問看護師さんに「どうしてこんなにケガを?」と虐待を疑われたこともあります。

パーキンソン病は認知症も併発しやすいらしく、父もまたそうでした。動けるときは「仕事に行く」と言ってヘルメットをかぶり、鞄を抱えて自転車に乗ろうとする。

それを止めるのが大変でした。目を離したすきに外に出てしまうことも多かったですね。

ちゃんと歩けないので遠くには行かないのですが、この2年間は夕方、父を探しに行くのが日課のようになっていました。

父は1日の中でも、ちゃんとしているときと、意識がもうろうとしているときがあって、まったく様子が違うので、私自身も混乱するんです。

 

慣れない介護に混乱することも…(写真提供:Photo AC)