人生も最終盤に入ると、必ず誰かの助けが必要に

そのうえ、医療分野でもマイナ保険証の導入で国民皆保険制度がパンクしそうな今日。社会保障制度も家族も次世代も当てにできない大ピンチです。

しかし、人生も最終盤に入ると、必ず誰かの助けが必要になります。他者に頼ることと、自分の人生を他者に預けてしまうことは違います。

頼るためには、サポートする側にもされる側にも自分で自分を支える覚悟が必要です。自分を救えるのは自分だけ。

最期まで自己決定権を保持することができれば、他者や制度に上手に頼る方法が見つかります。ここでは、これを〈自分介護〉と名付けます。

「自分は困ったことにはならない」「老後は誰かがなんとかしてくれる」「金さえあればなんとかなる」「死ぬときは死ぬ。後は野となれ山となれ」……。

こうした「正常化バイアス」も「他力本願」も「自暴自棄」も〈介護難民〉への道。うかうかしていると、行き場をなくしてしまいます。

来るべき一人暮らしの老後生活のために、いまできることは、個々の課題解決に自分事として取り組む実践しかありません。

その意味で、ケーススタディの集合体こそ、自分自身の安心老後のテキストブックになるはずと考えました。

個々の置かれた立場、環境で異なる固有のケースに、時には刺激を受け、時には反面教師とし、自分のための解決策を見つける旅へと歩を進めましょう。

 

じょうずに頼る介護 54のリアルと21のアドバイス』(編:一般社団法人リボーンプロジェクト/太田出版)