(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
内閣府の令和4年版「高齢社会白書」によると、女性の「介護が必要となった主な原因」では、「骨折・転倒」が2位となっています。そのようななか「筋力をつける習慣は、歳をとればとるほど重要になります」と話すのは、プロトレーナーで元アジア&全日本ボディビル(女子)チャンピオンの西本朱希さん。今回は西本さんの著書『女性のための50歳からの筋トレ入門』から一部を抜粋し、<50歳からの女性におすすめなウエイトトレーニングの方法>をご紹介します。

「効かせる身体の使い方」と「重い重量を持ち上げる身体の使い方」の違いを理解しよう!

トレーニング時の身体の使い方を大きく2つに分けると、

・特定の筋肉だけに“効かせる”身体の使い方

・多くの筋肉を使って“重い重量を持ち上げる”身体の使い方

があります。この2種類の動作を区別してトレーニングすることが、上達の秘訣です。

まずは「効かせる体の使い方」を、身体の前で両手に持ったバーベルを肘を曲げて持ち上げる「アームカール」を例に説明します。

<『女性のための50歳からの筋トレ入門』より>

もし、「重い重量を上げる身体の使い方」をするのであれば、Aのように上げ始めにいったん肘を背後に引いてから、身体を反らせるようにグイッと反動をつけて持ち上げると、全身の多くの筋肉を使えるので楽に持ち上げられます。

対して、二の腕の前側にある「上腕二頭筋」だけを鍛えるのであれば、Bのように身体を反らさず、肩から腕を若干前方にスライドさせながら肘関節を曲げて、バーベルを持ち上げます。

こうすると、上腕二頭筋だけで重りを上げることになるので、Aと比べて重い負荷は上げられなくなります。その代わり、鍛えたい筋肉(今回なら上腕二頭筋)のみに強い負荷がかかるので、その筋肉だけを的確に鍛えることができます。

特定の筋肉を狙って鍛えたいときは、“効かせる”体の使い方をしましょう。