自分にウソをつくのは精神的に良くない
他にも、2014年の香港科技大学のムコパディヤイらの研究では、「幸福を感じていない時に笑う被験者は、笑顔をつくると逆に気分が落ち込みやすくなる」ということが分かりました。
さらに、「幸福を感じている時に笑う被験者は、笑顔になると気分が良くなる」ということも分かりました。
以上の実験結果から、幸せな状態の時は、笑顔によって幸福が増幅されるけれども、幸せでない状態の時に、無理やり笑顔をつくったり、ポジティブな自己洗脳をしようとしたりすると、自分の本心と行動に自己矛盾が生じてしまい、苦しくなる、という解釈ができます。
やはり、自分にウソをつくのは精神的に良くないのです。人生の理である、死、孤独、責任は、直視するのが怖いものです。
そして生きづらさの根本原因でもあるので、向き合うよりも見ないようにしたり、考えないようにしがちです。
そして無理にポジティブに変換しようとしたり、自分にウソをついたりします。
他人からのアドバイスや世の中にあふれる間違った自己啓発に、時間やお金を浪費していないでしょうか。
※本稿は『あっという間に人は死ぬから「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『あっという間に人は死ぬから「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』(著:佐藤舞(サトマイ)/KADOKAWA)
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