「なぜ大人になると時間の流れが早くなるのか?」「1年たつのが早くなった」そう感じている全ての大人へ、統計のプロが教える「時間の正体」。仕事や家事に忙殺されて「満足したフリ」をしていませんか?データ分析・活用コンサルタントであり、登録者38万超『謎解き統計学サトマイ』YouTubeチャンネル運営している、佐藤舞(サトマイ)さんが、充実した時間の取り戻し方を提案する著書『あっという間に人は死ぬから「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』より一部を抜粋して紹介します。
逃げても逃げても、苦痛は追いかけてくる
ここでの目的問題提起(まだ解決できていない悩み)人はそもそも苦痛や不安を感じるようにできている。
多くの人は「苦痛から逃げる」というアプローチをとるが、残念ながらそれはうまくいかないことが多い。
日本では、精神疾患の患者数は、ここ15年ほどの間で約1.6倍ほどに増え、2017年時点では、約420万人と、2型糖尿病患者数よりも多くなっています。
世界保健機関(WHO)のまとめでは、生涯において4人に1人は精神的な疾患を抱え、そのうち3人に2人は未受診といわれています。
日本では、精神科や心療内科に行くことに抵抗のある方がまだまだ多いですが、「精神的に参ってしまう」というのはいたって普通のことなのです。
精神「疾患」とまでいかなくても、「なんとなく生きづらい」とか「何のために生きているのか分からない」といった、将来に対する漠然とした不安や閉塞感を抱いている人は多いでしょう。
お釈迦様は、「人生は苦である」といいましたが、最新の心理学研究では、まさに、「私たちが苦しみ悩むのは通常のことで、心理的な苦痛そのものを消すことはできない」という前提からスタートし、そのうえで、心理的な苦痛との適切な付き合い方を習得することにフォーカスしています。
人間にとって、苦痛や苦悩、恐怖や不安を感じるのは当たり前のことです。それを無くそうとしたり、見ないフリをすると、かえって恐怖感や不安感が増してしまう、というデータは多いです。