生まれながらにある「幸福度」のバラつき

それでは、私たちが、目を向けるべき「変えるべきもの」とはなんなのでしょうか。

<2つ目の原則:人生に対して主体的に参加せよ>

カリフォルニア大学で社会心理学とポジティブ心理学の教鞭を取っているソニア・リュボミアスキー教授は、人の幸福度を決定する要因のうち、遺伝による設定値が50%を占めており、経済状況、健康レベル、容姿、配偶者の有無などの生活環境や状況10%。

残り40%が、私たちの「意図的な行動」で説明できることを双生児研究により明らかにしました。

幸福度のバラつきは、半分が遺伝によるもので、生まれながらに幸福を感じやすい人とそうでない人がいます。

そして、生活環境の影響が10%しかないのは驚きですが、例えば、経済状況については、アメリカの経済学者であるリチャード・イースタリンが、1970年代に、GDP(国内総生産)の伸びと幸福度(満足度)は一定の所得水準までは正の相関関係が見られるものの、それを超えると相関関係が見られなくなるという、幸福のパラドクス(イースタリン・パラドクス)を発表して以降、幸福度研究では、主観的幸福感が所得水準と必ずしも相関しないことが重要なテーマの1つとなっています。

日本においても、実質GDPと生活満足度には関連が見られません。これは、日本だけではなく、経済成長を達成した多くの国で見られる傾向です。