「困難に直面した時の対処や態度」が重要
我々が集中すべきは、遺伝子を変えることでも、外側を変えることでもなく、自分で変えられる習慣的な行動なのです。
そして幸福な人にも、トラブルや災害などなんらかのストレスは必ずあり、誰でも苦痛を感じます。
その時に重要なのが、「困難に直面した時の対処や態度」です。
<3つ目の原則:人生に苦は必要である>
人が幸せになるには、ポジティブな体験を増やし、ネガティブな体験を減らすことが必要なのではないかと思うかもしれません。
愛する人に囲まれ、お金や健康の心配がなく、趣味に興じたり、海外旅行に好きなだけ行っている「ストレスのない生活」を送っている人を想像すると、さぞかし幸せだろうなと思うかもしれません。傍から見ると、憧れやうらやましさを感じます。
私たちの周りには、「努力をせずに成功する方法や、生活が便利で楽になる商品」の広告があふれていますが、それらは必ずしもあなたを幸せにしてくれるわけではありません。
むしろ「苦痛を逃れて楽に生きたい」は、幸福からは遠ざかる選択であることも多いのです。
私たちは、なるべく少ない労力で楽をしたいと考えますが、実際には、これまで払ってきたコスト(時間・労力・お金)の総量が、幸福感を高める傾向があります。これを、心理学では「努力のパラドクス」といいます。
タイパ重視、コスパ重視の選択は、最初は幸福感を高めてくれますが、それが日常になってしまうと、快楽順応によって幸福を感じにくくなってしまいます。
※本稿は『あっという間に人は死ぬから「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『あっという間に人は死ぬから「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』(著:佐藤舞(サトマイ)/KADOKAWA)
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