(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
厚生労働省が発表した「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、週1回以上外食を利用する人の割合は20代が最も高かったそう。若い世代を中心に自炊をしない人が増えているなか、今回は、ミニマリスト・佐々木典士さんと自炊料理家・山口祐加さんが、「自炊の壁」ひとつひとつを言語化し、その解決策を練った共著『自炊の壁 料理の「めんどい」を乗り越える100の方法』から一部を抜粋し、<自炊を楽しく続けるコツ>をお届けします。

美味しさの9割は安心感

山口 多くの人が、料理で悩んでいますよね。料理の品数、1回の食事での食材の種類、見栄え、味の完成度……。でも、料理って毎日やることなのに、そこまで頑張れないでしょと私は思うんです。

佐々木 毎回、外食並みに美味しいものを作ろうとしたら、料理のハードルが高くなりますよね。家庭で出す料理は、簡単なもので、それなりでいいと思えたら、自炊もやりやすい。

山口 味もメリハリがあっていいんだと思います。だってみんな、毎日めちゃくちゃ楽しいことばかりじゃないですよね。日々いろんな悩みを抱えながら生きてるわけで。それなのにずっと食事だけテンションが高かったらチグハグというか。やっぱり日々のご飯は安心感、ほっとするのが最優先でいいと思います。

佐々木 逆につらかったり、悲しかったりしても、安心できるいつもの味を作れたら、底が抜けるのを支えてくれそうですね。山口さんは「美味しさの9割は安心感」という言葉を紹介されていますね。

山口 2、3万する高級フレンチは美味しいけど、ほっとはしないですよね。でもお母さんの作る料理や、いつも行く喫茶店の味は安心できる。「自分にとってのホームと言えるご飯は何なのか」を考えるのもとてもいいと思います。これさえあれば、安心できて、最低限満ち足りる料理というか。白米と自分の家のお味噌汁があったら私は安心とか。納豆があれば安心とか。