大阪・関西万博の開幕に伴い、1970年に開催された大阪万博にもたびたびスポットライトが当てられています。そんななか、人気雑誌『昭和40年男』創刊編集長の北村明広さんは、大阪万博後の昭和46年以降を「昭和後期」と定義し、この時代に育った人たちを「次々と生み出されたミラクルに歓喜しながら成長した世代」だと主張します。今回は北村さんの著書『俺たちの昭和後期』から一部を抜粋し、再編集してお届けします。
鉄拳で解決してくれたことで救われた
荒川区の小学6年生。休み時間の教室だ。
担任教師が血相を変えて駆け寄ってきた。彼はレスリングで国体出場経験があるとの屈強な男だ。
女の子をいじめた。よりによって母子家庭をいじったのだ。酷い、最低最悪である。そこに至ったことに理由はあるが、いかなる背景であろうが神も許さない事案である。
物心は十分に備わった6年生だから、成長すればするほど後悔したはずだ。人生最大の汚点として、十字架になっていたかもしれない。
だがこれを鉄拳で解決してくれたことで救われた。昭和後期の手法である。