(写真提供:Photo AC)
大阪・関西万博の開幕に伴い、1970年に開催された大阪万博にもたびたびスポットライトが当てられています。そんななか、人気雑誌『昭和40年男』創刊編集長の北村明広さんは、大阪万博後の昭和46年以降を「昭和後期」と定義し、この時代に育った人たちを「次々と生み出されたミラクルに歓喜しながら成長した世代」だと主張します。今回は北村さんの著書『俺たちの昭和後期』から一部を抜粋し、再編集してお届けします。

ブラウン管の中に求めるヒーローが変化する成長

『仮面ライダー』と『ウルトラマン』によってテレビの魅力に取り憑かれ、以後次々と登場するヒーローたちに心を踊らせた。

まだアニメと呼ばれる以前の、テレビまんがや特撮ヒーローものを、大人たちは手を替え品を替え懸命になってガキどもにぶっ込んだ。テレビまんがの2大巨頭『デビルマン』が昭和47年7月に、『マジンガーZ』が同年12月に放送が始まった。永井豪によるビッグキャラクターだ。

昭和20年生まれの発展請負世代である。戦争の記憶はない。

円谷英二と石ノ森章太郎にとっては、影響の受け方こそ異なれど敗戦は大きな共通項で、2大ヒーローに滲み出ている部分がある。永井作品にはなく、この差異がごちゃ混ぜになっているのが昭和後期のヒーローたちだ。されど共通するのは、子供を喜ばせたいとの大人たちの深い愛だった。