(写真提供:Photo AC)
4月から社会人となり「一生懸命やってはいるけど、これでいいのだろうか…」と悩む方もいらっしゃることでしょう。そのようななか、「『成長』『成功』『幸福』とは何かを求め続け、ようやくその答えを得られたのは40歳になってから」と語るのは、明治大学文学部・齋藤孝先生。そこで今回は、齋藤先生が社会人1年生の「君」に向けて、社会に出て「成長」し、そして「成功」するために必要不可欠なコツを書いた著書『悩み続けてきた「僕」から君たちへ ーー社会人1年生に伝えたい成長と成功の本質』より一部抜粋し、お届けします。

「責任」について

「どうでもいい仕事」をしたくないという君の気持ちはよくわかる。

でも、どんな仕事であれ責任を放棄したら、その時点で学生時代のアルバイトと変わらなくなってしまう――

「仕事は期限厳守で!」と、ちょっと圧をかけるような書き方をしてしまいましたが、君の場合、おそらく期限を守るのは得意ですよね。課題の締め切りはもちろん、「いついつまでにこれをしてね」と頼んだことも律儀に守ってくれていたし。

そもそも君は、受験戦争をくぐり抜けて大学に入学しましたよね。

僕が思うに、受験勉強をものすごく頑張ってやってきた人というのは、締め切りを守れる、なんとか間に合わせられる傾向があります。何しろ受験勉強というのは、入学試験という「締め切り」に向けて周到に準備して一定の成果を出すための“訓練”のようなものですからね。

こうしたことを経験してきた人が、締め切りを軽視するはずがない。いや、むしろ締め切りに向けて頑張って力を発揮することが得意だ、と言ってもいいはずです。