ひつじや

・ひつじや――都会ではできない「牧場併設」を付加価値とする

広大な土地をレストランに近接させることができることも、「地方」を強みに変える方法のひとつでしょう。

たとえば「裏の畑で採れたばかりの野菜を料理する」といったことですが、それを「食肉」で叶えているのが、ひつじやです。裏の牧場で200頭もの羊を飼育しており、その日、捌いたばかりの羊肉のジンギスカンを出しているのです。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

飲食業に携わる方の間では周知のことでしょうが、日本のジンギスカン店で使われている羊肉のほとんどは、ニュージーランド産など外国産の羊肉であり、国産羊の占める割合は1%にも満たないといわれます。

そんななか、ひつじやは、ただでさえ希少な国産羊のうち、さらに1〜2%しか占めていないといわれるサフォーク種を育てています。

つまり、幻に近いジンギスカンが食べられる。ジンギスカンの本場といわれる北海道在住のフーディーに「一番美味しいジンギスカンはどこですか」と聞いたところ、北海道の店を尋ねたつもりだったのに「山形のひつじや」と返ってきたこともあります。