俳優の柴田理恵さん(右)とイラストレーターの田村セツコさん(左)(撮影:鍋島徳恭)
富山でのひとり暮らしを謳歌していた母に似て、自身もご近所と盛んに交流しているという柴田理恵さん。56年間おひとり様生活の田村セツコさんと、歳を重ねて変化した人づきあいや、孤独について語り合います。(構成:篠藤ゆり 撮影:鍋島徳恭)

すっかり朝型の生活に

柴田 お久しぶりです! 以前お会いしたのは、私の所属している劇団、ワハハ本舗の旗揚げの頃だから、もう40年くらい前ですね。

田村 ということは、江戸時代?

柴田 そうかも(笑)。うちの作・演出の喰始(たべはじめ)とセツコさんがお友だちで、赤塚不二夫先生はじめそうそうたるメンバーが芝居を観にきてくださって――。

田村 すご~くエネルギッシュな舞台。それでいて健気なお芝居が感動的だった!

柴田 セツコさんからいただいた猫の絵の靴は、今もまだ大切にしています。上演後、打ち上げにも参加してくださいましたね。

田村 そうそう、ステージの外も楽しかったわ。

柴田 私、中学生の頃によく読んだ『りぼん』や『なかよし』に描かれていたセツコさんの絵が大好きだったんです。そんな憧れの方が舞台に来てくださっただけでびっくり。しかも「がんばってね」と励ましていただいて、すごく幸せでした。セツコさん、あの頃とまったく変わっていないですね。カワイイまんま!

田村 ほんと? どうやら私、すごい長生きしてるみたい。でも、あっという間。忙しいから、死んでるヒマがないの。(笑)