「自然は、ご機嫌でいるための助けになる。木の葉が揺れたらニコッとするとか、夕方の雲を見て微笑むとか」(田村さん)

柴田 あの頃は、ワイワイガヤガヤみんなで飲むのが楽しかったけれど、最近はあまり飲みに行かなくなりました。

田村 理恵ちゃんはまだ60代だからお若いけれど、私なんか、だいぶ前からそういう感じよ。若い頃は明け方まで飲んでいたのに。

柴田 犬を飼い始めたら散歩のために早起きになり、遅くまで起きているのがしんどいんです。夜のつきあいの代わりに、同じく散歩中のご近所の方とお話しするようになりました。それも日々の楽しみのひとつです。

田村 私も犬の散歩中の人を見かけると、犬に話しかけるの。「あら、かわいいわね」って。

柴田 朝から外に出るようになると、「わぁ、若葉がきれい!」とか、自然に目を向けて頬が緩むことが増えました。

田村 植物の匂いとか、世界には素敵なものが溢れてるんだから、気づかないのはもったいない。若い頃はそういうものを見落としていたけれど、年齢とともにどんどん気づくようになりますね。自然は、ご機嫌でいるための助けになる。木の葉が揺れたらニコッとするとか、夕方の雲を見て微笑むとか。さりげない瞬間に笑ってみるのはすごくいい。

柴田 そうですね。それと私、散歩中にすれ違う人に、「おはようございます」と挨拶するようにしているんです。最初はむすっとしていたおじさんも、毎日声をかけていると、そのうちにっこり笑いながら、「おはようございます」と返してくれるようになりました。挨拶って大事なんだなぁと、つくづく思います。

田村 そういう時、心があったかくなるじゃない? すると、肩こりなんかも楽になる気がするの。笑うと、体が緩んで気持ちよくなる。反対に、怒ったりしている時は肩や腰が固まっちゃうんじゃないかしら。