(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

 

江戸のメディア王として、日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築いた人物“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』。女性狂歌師、智恵内子(ちえのないし)を演じるのが声優の水樹奈々さんです。湯屋の主人・元木網(ジェームス小野田)の妻で本名は「すめ」。蔦重とは、大田南畝(桐谷健太)や元木網などが参加する狂歌の会で知り合い、親交を深めていきます。滑稽や皮肉、社会風刺を盛り込んだ狂歌は、江戸の庶民の間で一大ブームとなり、智恵内子は夫とともに天明狂歌をけん引する存在となります。歌手としても活躍する水樹さんは、大河初出演。歌と言葉を扱う女性狂歌師役に共通点を感じているといいます。役に込めた思いを聞きました。 (取材・文:婦人公論.jp編集部)

ドッキリかと思った 

デビューしたばかりの18歳のころに戦隊もののドラマに出演したことはありましたが、それ以来全くドラマの仕事をしたことがありませんでした。マネージャーさんから「大河に出てみませんか?オファーがきています」と言われた時には、ドッキリなのかと思うくらい驚きましたね、青天の霹靂すぎて。

どういう経緯でご指名いただいたのか伺いました。狂歌が江戸のポップカルチャーになっていくなかでそれをけん引する数少ない女性狂歌師という役で、言葉をしっかり表現できる人、特に歌と言葉の表現に特化した人にとオファーをくださったと聞きました。

私も作詞を手掛けていますし、共通する部分もたくさんあると感じました。ちょうど今年が歌手デビュー25周年のタイミングだったので、「これは神様が挑戦しなさいと背中を押してくださったのかも」と思ってお受けしました。