楽屋に3台の鏡台が並んで

第3の転機は、去年6月のお子さん二人の初舞台、ではないだろうか。

――そうですね。あの時はいろんな番組に呼んでいただいたりしましたけど、長男の陽喜(はるき)、次男の夏幹(なつき)なんて言うと、もう一人子供いるだろ、って言い出す人がいる。

一度は愛し合って結婚して、子宝に恵まれて……僕は一人っ子だったからものすごく嬉しかったんですね。でもいろんな事情で離婚して、それでいろんなことを言われました。

ここで盛り返さなかったら、ただの珍しいやんちゃな金髪の歌舞伎役者、で終わっちゃう。これは演技で返していくしかない、という気持ちでいたら、また酒気帯び運転とかで問題が重なった。その時に助けてくれたのが、内田裕也さんなんです。

裕也さんとはまったく無名のころ、さっき話に出た大阪のバーで勘三郎兄さんたちと一緒に飲んでて、「お前か、歌舞伎役者でロックンローラーなのは」って面白がってくれた。いなくなったと思ったらバーに電話があって、「一人でここへ来い」。行ったら「本当に一人で来たのか、いい根性してるな」って。