その証拠に、ハーバード大学の成人発達研究で、家族や友人などつながりが多い人は、少ない人に比べて幸せを感じやすく、健康で長生きであるということがわかっています。
一方、つながりが不足し、孤立している人は、中年期からさまざまな健康問題を抱え、認知機能が低下したり、長生きできなかったりする傾向がありました。
なぜ、つながりが不足すると健康に影響が出てしまうのでしょうか。それは、孤立することで本能的に不安を感じ、ストレスが高まるため、体内で炎症反応が起きたり、ホルモンが過剰に分泌されたりしてバランスを崩してしまうから。
その結果、交感神経が優位になって血圧が上がり、心筋梗塞などの心疾患や脳卒中などの脳血管疾患を起こすきっかけになることが考えられるのです。また血糖値を上昇させるコルチゾールという物質が増え、糖尿病や脂質代謝異常といった生活習慣病のリスクを高めてしまうことにもつながります。
反対に、他者との心地よいかかわりは「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌を促し、ストレスを軽減するため、うつ病を予防する効果があるという結果が。