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日本人は世界でも変わっている、とはよく言われますが、具体的にはどのような意味で「はずれ値」なのでしょうか。統計データ分析家の本川裕さんは、「国際比較データで日本や日本人が世界の中で非常に特異な傾向を示すものが多い」と話します。今回は、本川さんの著書『統計で問い直すはずれ値だらけの日本人』から一部を抜粋しお届けします。

リスクをチャンスではなく、もっぱら脅威と感じる日本人

人生にリスクや失敗はつきものである。しかし、それを恐れるだけなのか、それともむしろチャンスととらえるかでその後の人生は大きく異なってこよう。

ここでは、成人と子どもの両方で、リスクや失敗に対する姿勢を各国間で比較した意識調査結果を見てみよう。

結論的から言うと、日本人はリスクを好機ではなく単に脅威と感じる傾向があり、世界の中で最も失敗を恐れる国民であることが明らかである。慎重さが共通と見られるドイツ人と日本人だが、ドイツ人のプラス思考とは対照的な日本人のマイナス思考が目立っている。

まず、成人の意識調査結果から見てみよう。