年をとると脚の筋力が落ちてくる

個人差はありますが、年をとると誰でも歩行速度が低下します。なぜなら、加齢とともに筋肉量が減少していくからです。

歩くための筋肉はおもに「脚の筋肉」です。実は、全身の筋肉のなかで、脚の筋肉は量的にも質的にも減少・低下しやすいことがわかっています。

下のグラフは、腕と脚の筋肉量の推移を比較したものです。

<『すべての病気が防げる長生き歩き』より>

20歳の筋肉量を100として、加齢とともに筋肉量が減少していくことを示しています。腕の筋肉量に対し、脚の筋肉量が大幅に減少していることがはっきりわかると思います。

筋肉量のピークは20歳頃といわれていて、そこから加齢とともに、筋肉量は減少していきます。とくに脚の筋肉量の減少は腕に比べてスピードが速く、定年退職する60歳を過ぎる頃からガクンと落ちてきます。

そして、70歳では30%くらい筋肉量が減少し、筋力低下(足腰の衰え)を強く自覚するようになるといわれています。

脚の筋力低下のイメージをわかりやすくいうなら、歩くのがめんどうになってくるということです。

40代、50代の頃までは、気軽にあちこち出歩いていた人が、60歳を過ぎる頃から出不精になったとします。こういう人は、脚の筋力低下が進んでいる可能性があります。

歩くのがめんどうになると、歩く機会が減ります。すると、さらに筋力が低下し、ますます歩かなくなります。この負のスパイラルによって、脚の筋力低下が進んでいくのです。