愛するがゆえの憎しみ

どんなに愛していても、育児には疲れ果てる。光は必ず影と共にあるように、愛も必ず憎しみと共にある。ときに放射してしまう、愛するがゆえの憎しみも、自分で自分に許してあげよう。

子どもが悪いわけじゃないのに、イラついて理不尽につらく当たってしまった。後から無垢な寝顔を見て、「ごめんなさい」と涙をこぼす母親が、今この瞬間にも、この星に何万人もいるに違いない。

常時暴力あるいはネグレクトするという深刻な場合を除いて、たまのそれは、育児のアクセント。たまに現れる影は、光の存在を知らせてくれる。母は愛を確認し、子どもは文脈的意味の遺恨は残さず、すくすくと育つ。

※本稿は、『子育てのトリセツ 母であることに、ときどき疲れるあなたへ』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。


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