天真爛漫な性格にみられるのは

この時期、17歳のころからお付き合いをしていた方と突然お別れをしたタイミングとも重なって、私としては大きな転機になったかもしれません。

当時の女優は私生活をあまり表に出さず、私生活はベールに包まれていたものですが、私はなんでもあけっぴろげにさらしていました。だから私がその方とお付き合いしていることはマスコミには知られていました。いつ結婚するのか、と何度も週刊誌に書かれたものです。隠すつもりもなかったので一緒に暮らしていることもばれていました。

恋多き女と書かれたこともありましたが、うーん、周りに素敵な男性がたくさんいたので、いい思い出ですね。40代のころの恋愛も「いよいよこのまま結婚でもいいかな」と思いましたが、どちらの家族にも大反対されて前に進めなくなってしまいました。

当時、女性が仕事を持つということは珍しかった時代です。母に「これからの女性はちゃんと仕事を持ってひとりで生きていくことが大事」と言われて、私は女優を仕事としてやっていくと決めていました。今なら結婚も子育ても仕事も、となにもかも実現できるのでしょうけれど、当時は「結婚するなら女優は引退」という時代だったのです。だから、どんなに好きな人ができてもなかなか結婚には踏み切れませんでした。

私は、周りから天真爛漫な性格にみられていたかもしれませんが、ストレスを受けないように避ける、ということが身に付いていたのだと思います。ストレスになりそうなことから逃げちゃうとストレスはなくなりますよね。だからまるでストレスがないようにふるまえたのね。人と一緒に生活するのもストレスに繋がりますから一人で暮らすことを選んできました。その延長で結婚も避けてきたんです。家庭と仕事の両立というストレスから逃げていたわけです。

(撮影:本社・奥西義和)