「自分の内面を話せる男性版「発言小町」が出てきたら、世の中も変わってくると思います」(スーさん)

 

三浦 男性発信のものといえば、スーさんも「小町拝見」で選んだ僕だって疲れてますがのトピック。同期入社で部署も一緒のカップルが結婚するとなった時に、女性の方が会社を辞めようとすることをどう思いますかって男性が質問していましたよね。これは、すごく難問だなと思います。

主婦となって彼を支え、ストレスを減らしてあげたいという女性の気持ちもわかるけど、「でも同じように働いてきたのにさっ」と思うこの男性の気持ちもすごくもっともで。「男だからっていう理由で何かを強いられるのは理不尽です」って男の人が言うのはすごく画期的だと思いました。これまでは、私たち女が言ってきたことだから。

スー そうですね。男性が女性に、頼んでもない教えを授けてきたり、働き方を批判したりというのは昔からあったこと。あとは「女性はもっと男性化して活躍するべきだ」というように、男性の仲間としてこっちに入ってきなよ、というパターンもあったけど、あくまでも男性優位。それが、「こっち(男)だって、もうへこたれてるんだよ」っていう、ある種丸腰の愚痴が出てきたのはすごく新しいなと思ったんですよ。

男の人って弱音吐くと死んじゃう。死んじゃうっていうか、社会的に殺されてしまう。たとえ匿名でもなかなかできなかったものが、女ばかりのところにやってきて、「こっちだって疲れてるんだよ」って手ぶらで言えるのはすごく新しいと思いましたね。

三浦 「発言小町」が、男性も本音を言える場になりつつある、ということは大きいのでしょうね。もはや定番となっていて楽しいのは、男性が女性に告白したいという思いを相談するトピック。長い片思いというトピックでは、「20年もの間、ひとりの女性に片思いし続けている自分はおかしいのでしょうか? アドバイスをお願いします」と単刀直入に相談しているものもありました。ちなみに、このトピックの展開は想像を超えましたね……。

小坂 そうでした。男性の中には、「女性たちがどう思っているのかを知りたくて(発言小町を)見ている」という人も結構いますよね。話は戻りますが、スーさんは、先ほどなぜジャンル分けについて質問されたのでしょうか?

スー 「話題」「男女」「子供」「働く」「ひと」「健康」「美」「学ぶ」「口コミ」「男性発」というタブ分けですが、男性の「発言小町」があったらどういう分け方になるのかなと思って。おそらく、今とは違うのだろうなと思ったんですよね。

小坂 本当は、男性版も作りたかったらしいんですよ。

スー 作ってほしいですね。見てみたい。

三浦 『男性公論』という雑誌はないわけで。男たちがホンネを吐き出す場を私たち女性が目にする機会ってなかなかないですよね。

小坂 盛り上がらないんじゃないでしょうか?(笑)

スー いや、その盛り上がらない様も含めて見たい。(笑)

小坂 古くから弊社にいる者が、「『発言小町』を立ち上げた時に『在原業平』っていう男性版を作りたかったけれど、そんなの変だって言われて没になった」と言っていました。

スー 男性版だと、「NewsPicks」方式のほうが盛り上がるんでしょうね。基本的に、自分の内側のことではなく、外のニュースに対して一言物を申すっていうスタンス。男性って自分の話をあまりしない傾向があるじゃないですか。自分の内面を話せる男性版「発言小町」が出てきたら、世の中も変わってくると思います。